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向かい合う芸術祭@真鶴まちなーれ


美の基準という、数字ではなく言葉で語る景観条例のある町、真鶴、その町を楽しむ芸術祭、真鶴まちなーれが今年も開催されます。

真鶴の美の基準については、こちらの記事が参考になると思います。

一方で、真鶴は消滅可能性が高い都市と指摘されており、昔ながらの暮らしが息づく静かな町を維持することはそんなに簡単ではありません。 変わらないこと、変わること、そして変わらなきゃいけないことを考える視点として、真鶴まちなーれはアートやワークショップを用いています。

私は1年目のまちなーれに関わったのですが、2年目からは関東を離れてしまい、まちなーれがどのように変わったのかを見ることができませんでした。

今回、3年目を迎える真鶴まちなーれは、予約制のガイドツアーに参加しないと作品を鑑賞できない仕組みになっています。 たくさんの人を集める芸術祭ではなく、真鶴の美の基準の町づくりを紹介しながら、芸術作品もちゃんと見てもらう為に、ディレクターの平井さんが採用したシステムです。

真鶴、美の基準を体現した建築、コミュニティ真鶴がツアーの出発点です。

コミュニティ真鶴に展示してあるのは、真鶴在住の作家、向井日香さんの草木染の作品です。

作品は真鶴町に埋め込まれるように展示されています。

例えば草柳酒店の奥に設置されている展示。

美しく不気味な海の女神をイメージしていた作品は木村幸恵さんのもの。何の素材で、出来ているかは、ぜひ現物をチェックしてください!

時間があれば草柳酒店のお母さんや、しげちゃん散歩という食べ歩きワークショップを主催するしげさんが作品制作の裏話なんかも話してくれます。

また、シャッターが閉まった魚屋さん(ここの場所はツアーに参加した人だけの秘密です)の中にも作品が。鈴木泰人さんの作品は、照明が変化し、じわじわと息遣いが感じられる作品になっています。

また、道端には静かに原始的な像がひっそりと建っています。第一回から参加してくれる阿部乳坊さんが台湾の彫刻家とコラボした作品。いつの間にか、お供え物が供えられていたそうです。

多くのお店が閉まってる界隈には、様々な空き店舗が作品の舞台になっています。

魚清という魚屋さんの店舗をキオスクというコンセプトでリデザインしたウオキオスク。

ツアーに参加すると、チョークアートで彩られた店舗の中にも入れます。中もいろんな仕掛けがたくさんです! 男らしくかわいいがテーマの本作品、アートだけじゃなくデザインのテイストも入れたいということで平井さんが声をかけ、今回新たに参加したチョークボーイさんの作品です。

その向かいには、これまた、かつての薬局の店舗に90体の人型折り紙の集合体の作品があります。

ツアーの最後は、3年前まで真鶴で開いていた理容室の店舗に展示されています。

大正時代から続いていた理容室の小物に沿って、影のように高橋つばささんのボールペン画が展示されています。

また入り口には水たまりのような、波のような、大きな作品が展示されています。

なんだか、じわじわと美しく浸食されているようです。

今回の真鶴まちなーれのテーマは「懐かしい賑わい、新しい眺め」です。

かつての賑わいが静かに息絶えていく様子が表されているようで、最後にざわざわした終わり方になっているのも良し…です。

ツアーは真鶴港エリアだけですが、実は真鶴半島エリアにも作品が展示されています。

半島全体が県立の自然公園である真鶴半島には、真鶴から30分ごとにバスが出ています。(10分程度でつきます。)

風を作品に取り込む鉾井喬さんの作品は、林の中で空を見上げると頭上に吹く風を感じることのできる素敵な作品です。

そして、中川一政美術館には阿部乳坊さんの作品がふてくされているように展示されています。メルヘンチックなのに、危険な香りが…(笑)。

芸術祭って何だろう...、よく語れていますが、あえて少人数のツアーを組んで作品と町をめぐるという形式をとることによって、町とアートと向かい合うことを目指すまちなーれ、いい芸術祭になったなーと思いました。

ちなみに、お昼は真鶴の民家風なのに本格派、おかげカフェさんでいただきました。

キッシュもあるけど、男子向けのガッツリ系もある、幅広いラインナップです!


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