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子どもと楽しむ芸術祭@あいちトリエンナーレ2016


芸術祭の秋が来ました!

遠い、歩く、解説無しという三重苦のため、なかなか家族の理解が得られない芸術祭。

今回は何とか今後の芸術祭行脚を許してもらうため、まずは初心者向けっぽいあいちトリエンナーレへ。

あいトリのいい点は、まず、名古屋会場は名古屋駅から徒歩圏内ということ。

(京都から日帰りなので、今回は名古屋会場のみ!岡崎会場、豊橋会場も魅力的だけど…)

色々地図をにらめっこしながら考えた結果、今回は名古屋市美術館から向かい、中央広小路ビル、旧明治屋栄ビルその後愛知芸術文化センターの展示を見て、愛知芸術文化センター後に日本興和名古屋ビルを過ぎ、長者町会場に行きつく、という計画を立てました。

近そうに見えて、ビル会場のエレベータはほぼ使えないということで、地味に足に来ます。

で、結論から言うと、家族連れであれば愛知芸術文化センターだけ見れば十分楽しめます。

今回の目玉の一つであるダミコルームでは、ニューヨーク近代美術館の初代教育部長のビクトル・ダミコが考案したアートティーチングトイが体験できます。

アートティーチングトイは、視覚的に遊べる装置と言えばいいのかな?光や、動き、色などを動かしながら楽しむ装置です。各装置の説明はこちらのサイト(ビクトル・ダミコの美術教育装置の復元)に詳しく載っていました。

工作型のアートキャラバンは、身近な素材を使って、抽象的な作品が製作できるしつらえになっていました。

アートティーチングトイも、アートキャラバンも、抽象的な形や色からアートに触れる仕組みになっています。再現性や技能を超えたところからアート教育を始めるというのが、なんとなく今後のヒントになるような気がしました。

そしてもう一つ子ども受け最高だったのは、西尾美也+403architecture [dajiba]の≪パブローブ≫。ワードローブという個人的な空間をパブリックに展開するとどうなるのか?というインスタレーション。誰かの思い出のタグがつけられた大量の服から、自分の気に入った服を選び、着こむことができます。

服に囲まれて胸が高鳴るっていう、人間固有の不思議な衝動にかられる7歳児。

3回目の試着でストップかけましたが、女児のとっかえひっかえ着替えたいという欲望は尽きることがありません。こんな様子を見ると、服を着るという行為は社会的行為なのか、私的な欲望なのか...改めて深い問いが立てられそうです。

また、今回の展示の目玉の一つである大巻伸嗣の岩絵の具を用いた砂曼荼羅のような作品は、本ブログデビューの0歳児(すでにいろんなデータを取られる対象としてロックオン)にも好評。

赤ちゃんは視力悪いらしいですから、これぐらいカラフルで大きな作品がいいですね!

今回、私があいちトリエンナーレで感じたのは、たぶん私がアート全然知らなくって、家族で休日に暇をつぶす必要がある身だったとしたら、この芸術文化センターの会場はとても楽しめたのではないかということです。大人1800円、子どもタダでしょう。払う、払う。アン○ン○ンミュージアムは1歳以上から全員1500円だよ!普段美術館に来ないお客さんを、特別な作品や体験でもてなす、で十分意味ある展示になっています。

逆に、今までもっていた町を活性化する機能とか、いらないと思ったら思い切って切っちゃえば?って感じです。

町中に展示する必要性や、普段展示しない場所で展示する意味があれば展示してもいいと思うけど…

エレベーターが使えない古ビルの4階に上がるってだけで、物理的ハードルはガンっと上がるけど、上がった先に満足する体験用意していないと逆効果だからね!

確かに芸術祭はアートを見せるという機能だけではなく、コミュニティを再構成したり、地域復興という機能があったのは事実だし、それがとても素敵に機能してたからこそ広がったんでしょうけど、それが芸術祭の必要条件として自分たちを縛ることもうないんじゃないでしょうか。

芸術祭という緩やかなコンセプトで最先端のアートや、サイトスペシフィックなアートを見せるのでも、十分ワクワクしますから!

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下記、今回出会った素敵な作品です!

マーク・マンダース 《Room with Unfired Clay Figure≫

火入れしていない彫刻群がアトリエのような空間に並びます。未完成な生もののとしての儚さと生命感が同居する作品。

田島秀彦≪窓から部屋へ≫

レインボーの光に包まれた幻想的な世界。

イマン・アイッサ ≪Heritage Studies≫

絵本の中からとび足してきたような不思議な造形が並ぶインスタレーション。不思議な造形には遺産のようなタイトルがついています。宇宙のどこかの星の遺産かもしれないし、未来の遺産かもしれない。遺産って言われると、どんな奇妙な造形も現実のものとして受け入れてしまいそうになります。

寺田就子 ≪透明な気配≫

旧明治屋栄ビルの展示作品。日常的なものに少しの手心を加えて、小さな美を生み出すインスタレーション。

山田亘 ≪なるへそ新聞プロジェクト≫

中央広小路ビルでは、架空のなるへそ新聞社の編集室がそのまま作品になっています。ノスタルジックな編集室では、今はやりのとと姉ちゃんごっこもできます。こういう作品はビルの中にあると現実感が増し、楽しいですね。

今村文

八木兵綿6号館では、植物をモチーフにした作品が展示されています。押し花のような枯れた風合いで表現されている優しい作品です。

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