アンパンマンやちゃおグッズがひしめき合う我が家でも、おしゃれに暮らしたい…
という無謀な欲望を満たすために、北欧のインテリア目当てで、札幌のJRタワーにあるプラニスホールで開催中のフィンランド・デザイン展に行ってきました。
札幌駅直結の商業ビルは複数あり、入っているお店によって性格が分かれているのですが、このプラニスホールはユニクロやビックカメラなどが入る身近なお店ビルの最上階にあります。ちょっと驚き。
一階下に降りると、札幌ラーメン共和国があるんだぞ。絶対に客層とは違うと思うけど…
博物館経営的には、かつて商業施設の上階に展示施設を置き、シャワー効果(下にあると噴水効果)を狙い、展示を呼び水に集客ということがあったのですが…もう完全に他のテナントと展示施設の相乗効果は切り離して考えているのね、って感じ。
そしてフィンランド・デザイン展は…というと、素敵なお部屋の参考に、というミーハーな来客には全く媚びず、あくまでも展示だぜ!って感じのストイックな姿勢を崩さない。
どや!このイッタラバード(イッタラという食器メーカーが定期的に出している鳥のオブジェシリーズ)のコレクション!
生活空間での活用よりも、コレクションを提供している織田先生のコレクター熱が伝わってくる鳥達。
そして何よりその熱を正しく伝えるために、130点の鳥を一堂に見せるために作られた(多分)オリジナルな展示什器。
これ、透明部分はプラスチック、押しピンみたいなものでドーム型にとめられています。
小さな展示台に分けて展示していたら、この迫力は伝わらなかったでしょう。
むろん、ちゃんと小分け(この表現でいいのか?)できるような資料はこのように小さめの演示台に展示されています。
大型家具の什器はなんと段ボール。長さや形がバラバラな大型資料に対応できるように、組み合わせ式で使えるところもいいですね。
展示はただ飾ればいいというわけではなく、カテゴリーを意識して見せる必要があります。
そのため、展示の什器自体、そのカテゴリーに沿ったデザインである必要があるのではないでしょうか。
なお、私のベストオブ展示什器は東工大博物館のものです。研究者が展示業務を考えてデザインした什器。当時の記事をアーカイブに入れておきました。今見ても素敵すぎる。
さて、その流れでなんですが、都内で開催されていたくらし文化遺産 ― 変革の記憶、LIXILの宝もの展。京大博物館の塩瀬先生が監修ということで行ってきました。
とてもファンキーな展示になっておりまして、最初にお目見えするのが、土管をガラス窓サッシで区切り、その向こうに岡本太郎の彫刻があるという...書いてても何がなんやら。
あまりのことに、私、写真がうまく取れなかったので、LIXILのサイトより転載させていただきますね。
これ、伝わらない私の写真。土管の奥に岡本太郎の彫刻見えるのわかるかな?この土管、実は明治期、大正期、昭和期とサッシごとに土管の年代が区切られています。
展示の内容は、工業、工芸、アートの融合なんですが、この展示コンセプトを象徴する入口展示。
窓サッシを額に見立てて、土管を望遠鏡にして、彫刻を見せる...ちょっと常人では思いつかない発想。
その他にも天井に資料写真を展示するなど、ここでしかできない自由な展示になっていました。
(こちらも、私が撮った写真だと、全く伝わらないので、転載させてもらおう。)
展示をするというのはどのような資料を組み合わせるかといった内容に関わるソフト面の構成と、什器や置き方のデザインに関わるハード面での構成、この二つの視点が必要になります。
ソフト面にはこだわっているけど、意外にハード面は疎かになっている展示も多くあります。
学芸員資格科目で、展示論が追加されましたが、実はこの科目、ソフトとハードどちらもカバーしなければならない、とてつもないお化け学際科目なのでは...
そんな科目作っちゃって、教えることできる人って本当にいるんでしょうか?
もう!博物館学の人たちって自分たちのハードルをあげちゃうんだから(笑)。