つなげる鑑賞法
複数の展示資料、アート作品の共通点を探しながら、それらを比較していき、展示の文脈を理解していく博物館学習手法です。
【目的】
つなげる鑑賞法は、美術館での鑑賞教育を通じて、視覚情報から意味を読み解く判断力、自分なりに意味を組み立てる思考力、自分の解釈を生徒同士で共有する表現力を育んでいきます。
美術館における鑑賞とは、あるテーマに沿った資料群が、文脈に沿って展示されています。つなげる鑑賞法では、①複数資料にまたがったテーマを理解させ、②資料群の特徴とその見方を理解させることによって、児童の作品鑑賞の理解を支援します。
博物館熟達者は、事前に展示のテーマを理解した上で、資料群の特徴を把握し、その特徴に沿った見方で絵から情報を得ていると言われています。そのような見方をすると、絵の見方が広がったり、自分なりに考えながら絵を解釈することができると言われています。
つなげる鑑賞法を事前に学習すると、感想文では単なる解説の丸写しや、単純な感想よりも、絵の分析や抽象的な見方が増えるということが実験でわかっています。
【用意するもの】つながりを教える教材、関連作品のカードやシール、つながりを可視化できる概念マップ(作品をノードに、つながりをリンクにして、その関係性を書き込めるワークシート)
【準備】
①事前に展示テーマの理解、注目点の把握、資料同士の関連付けを教えます。
教材事例
【ワークショップの進め方】
①つなげる教材を教員と一緒に見ながら、自分でつなげるマップを作っていきます。
②クラスの児童同士でお互いがつなげた結果を共有します。
③後日、お互いに話し合いながら美術館を鑑賞します。
【関連論文】
歴史博物館での事例
奥本素子, 加藤浩
科学教育研究 31(4) 400 - 409 2007年12月
美術館での事例
奥本素子, 加藤浩
日本教育工学会論文誌 33(4) 423 - 430 2010年2月
奥本素子, 加藤浩
日本教育工学会論文誌 33(1) 11 - 21 2009年7月
小学校での実践事例
奥本素子, 山田政寛, 加藤浩
博物館学雑誌 35(1) 97 - 115 2009年12月
奥本 素子
美術教育学 : 美術科教育学会誌 0(33) 149 - 158 2012年3月
モバイル版の事例
奥本 素子, 加藤 浩
日本教育工学会論文誌 36(1) 1 - 8 2012年7月10日
【利用者に向けたパンフレット】
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